東大病院小児集中治療室 PICU

フォンタン手術

フォンタン手術とは、上大静脈(上半身の血液がもどってくる静脈)、下大静脈(下半身の血液がもどってくる静脈)の両方を肺動脈をつなぐ手術です。最近では、Total Cavopulmonary Bypassの頭文字をとってTCPCと呼ばれることもあります。

フォンタン手術の前にグレン手術が行われている場合には、すでに上半身から帰ってくる血液は肺動脈に流れているので、下半身の血流を肺動脈に流す手術となります。

フォンタン手術は、「(使える)心室が一つしかない」心臓病に対して行われる手術です。

具体的には、三尖弁閉鎖症、左心低形成症候群、単心室症、純型肺動脈閉鎖症の1部などが病名としてあげられます。

生後、はじめからフォンタン手術を行うことはまれで、通常いくつかの段階的な手術を経てからフォンタン手術へたどりつきます。

生後、肺血流が少ない場合は、BTシャント術が行われ、肺血流が多い場合には、肺動脈絞扼(バンディング)術という肺血流をすくなくする手術が行われることが多いですが、グレン手術はその次の段階の手術となります。グレン手術を行わずにフォンタン手術をおこなうこともありますが、これは各個人の状態や、施設の方針によっても異なります。

フォンタン手術が終わった後は、基本的に、チアノ-ゼはなくなり、酸素飽和度は90~100%近くとなります。ただし、肺の状態などによっては、「フェネストレーション」と呼ばれる穴をわざとあけておいて、すこしだけチアノ-ゼを残すかわりに全身の静脈の圧力があがりすぎないような手術をすることもあります。

フォンタン手術には、人工血管をつかったり、自分の組織だけをもちいたりとさまざまな方法があり、どのほうほうが一番良いというのは、いまの段階でははっきりとはわかっていません。

血液の循環

グレン手術の段階では、全身へ回る血液のなかに青い血液が混じっていますので、「チアノ-ゼ」があります。

フォンタン手術は、下大静脈を肺動脈につなげて(↑の動画では人工血管をつかっています)、すべての静脈血がそのまま肺へながれるようにする手術です。

こうすると、基本的にはチアノ-ゼはなくなり、心臓からでた血液は全身を回った後、直接肺へまわって酸素をもらい、また心臓へもどってくるという循環となります。

心臓が血液を全身にしっかりと送り出し、全身からまわっていく血液が肺へスムーズに流れるには、心機能が良いこと、肺の循環が良いこと(肺血管抵抗が低い)などいくつかの条件がととのわなければならず、すべての患者に対してフォンタン手術が可能というわけではありません。

ページ上部戻る